反復収束法を用いた熱弾塑性有限要素法による定常切削過程の切削機構解析の結果例 その2
反復収束法を用いた熱弾塑性FEMで解析した, 定常切削過程の工具すくい面上の応力分布と温度の分布のアニメーションGIFです.
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二次元定常過程の切削機構(切りくず生成,切削力,切削温度分布, 工具すくい面上の応力分布など)は 反復収束法を用いた熱弾塑性FEMで解析できます. 切削機構を詳細に解析するために,被削材の流動応力特性は, ひずみ,ひずみ速度,温度,さらにこれらの履歴効果を考慮できるモデルを 使用しています.
第一すくい角が切削機構に及ぼす影響
工具形状は工具すくい面が平坦な単一すくい面工具の場合です.
紺色は垂直応力分布,緑色は摩擦応力分布,オレンジ色は切りくず材料の 最大せん断応力分布,赤色は温度分布です.オレンジ色の分布を見れば分かる ように,切りくず材料の降伏応力は,加工硬化と熱軟化をしています. 摩擦応力分布は,それにつられて変化しています.
切削条件(切削厚さ)が切削機構に及ぼす影響
工具形状は工具すくい面上に凹凸があるチップブレーカ付き工具の場合です.
紺色は垂直応力分布,緑色は摩擦応力分布,オレンジ色は切りくず材料の 最大せん断応力分布,赤色は温度分布です.オレンジ色の分布を見れば分かる ように,切りくず材料の降伏応力は,加工硬化と熱軟化をしています. 摩擦応力分布は,それにつられて変化しています. 各種物性値は,刃先付近とチップブレーカ点付近に分布します. 中間部分は,切りくずが工具に接触していない部分です.